お米をおいしく食べるには咀嚼大切
現代人の咀嚼不足
時代とともに人々の食事時間と咀嚼回数が減っているのをご存知でしょうか。
はるか昔、弥生時代には1時間近くかけて約4000回の咀嚼で食事をしていたとされます。
ところが、今では弥生時代の6分の1程度になったと言われています。
食事時間の短さや咀嚼回数の少なさは大人に限った事ではなく、
現代は噛まない、噛めない子どもたちも増えていると言われており、
平均寿命の伸びと健康寿命の差にも影響するとして問題視されています。
咀嚼が足りないとどうなる?
筋肉や舌を意識的、また反射的に反応させる「噛む」という行為は、
強い顎をつくるだけでなく、脳や体へ良い刺激を与えると言われています。
さらに顎を動かすのは脳への血流にも良い影響を与えるため、運動機能の維持や健康にとても良いのです。
また、噛むとだ液が分泌されることで、胃腸での消化がしやすくなるようサポートしたり、
他にも食べ物の残りかすや細菌を洗い流してくれるので、
口腔内を綺麗にする働きをも担っており、虫歯や口臭の予防に繋がります。
きちんと噛まない食習慣を続けていくと、、、
太りやすくなる、虫歯・歯周病になりやすくなる、顎が弱くなる、歯並びが悪くなる、
肩こり・腰痛になる、老化スピードが早くなる
などといったデメリットがあり、様々な悪影響を及ぼしかねないのです。
ご飯をよく噛むメリット
ご飯をしっかり噛んでいると、甘いと感じる事はありませんか?
お米の主成分であるデンプンは、炊くと消化の良いデンプンに変化します。
このデンプンが、だ液に含まれる消化酵素アミラーゼと結びつくと、マルトースという甘い糖に分解されます。
マルトースは麦芽糖ともいい、水あめの主成分としても使用されています。
これがご飯をよく噛むと甘く感じる理由です。
よく噛むことでお米が甘くなり、消化酵素によって胃腸への負担も少なくなるので、
よく噛むことは健康で美味しくお米を食べる秘訣なのです。
脳機能の維持や日々の健康維持のためにはもちろん、おいしいご飯をより深く味わうためにも、
ご飯をよく噛んで食べる事をおすすめします。